初めて自分でコーヒー豆を挽く方やもっと上達したい方に向けて、このガイドではコーヒー豆を挽く際に必要なことについてわかりやすく解説します。
コーヒーをおいしく淹れるために最も大切なステップのひとつが挽き方です。挽き目の大きさはコーヒーの風味に大きく影響し、挽き方によっては豊かな味わいのローストコーヒーが酸味や苦味の強いフレーバーに変わってしまうこともあります。カフェではあらかじめ挽かれたコーヒーを買うこともできますが、抽出の直前に挽いた方が一番おいしいということに異論を唱える人はいないでしょう。
Why is fresh-ground coffee better?
焙煎されたコーヒー豆は時間が経つにつれて自然に酸化が進み、より多くの酸素にさらされることで品質が劣化していきます。そして、コーヒー豆を挽くと豆の表面積が広がり酸化が促進され、焙煎中に発生した二酸化炭素のガスがすべて放出されます。このガスが焙煎したてのコーヒーや挽きたてのコーヒーから素晴らしい香りを生み出しているのです。
挽きたてのコーヒーと数時間前に挽いた豆を比べると、その差は歴然としています。
Is buying pre-ground coffee bad?
コーヒー豆はこまめに少しづつ買うことをおすすめしています。特に、あらかじめ挽かれたコーヒーを購入する場合は1週間か2週間分までの量でとどめ、常に新鮮なローストコーヒーをストックするようにしましょう。
焙煎から抽出までの時間をできるだけ短くするために、オールプレスでは焙煎、グラインド、パッキング、発送をすべてその日のうちに行っています。しかし、コーヒー豆は袋の封を切った瞬間に酸素や湿気の影響を受け、二酸化炭素の減少や汚染などにより風味や鮮度が劣化していきます。これらの要素はコーヒー豆を適切に保管することによって軽減できますが、自宅でコーヒーを淹れる際に最高の風味を引き出すためのベストな方法は、家庭用のグラインダー（ミル）を使用すること、そして豆にこだわることだと言えるでしょう。
The Allpress Coffee Grind Chart
コーヒーを淹れる際に風味を最大限に引き出すためには、抽出方法に合わせて挽き目を変える必要があります。エスプレッソマシン用の非常に細かい微粉からフレンチプレス用の大きな岩塩の粒のような粉まで、挽き方の種類は実にさまざまです。より分かりやすくするために私たちは独自のグラインドチャートを作成し、それぞれの抽出方法に合わせた挽き方をご案内しています。
How to grind coffee for Espresso
エスプレッソの挽き目は小麦粉やタルカムパウダーのように極力細かくすることが大切です。抽出の際に高速かつ高い圧力がかかるため、風味を上手く引き出すためには非常に細かく挽く必要があります。業務用、あるいはハイグレードなエスプレッソマシンをお持ちでない方は、マシンの圧出力に合わせてやや粗めの挽き目を狙うと上手く抽出できるかもしれません。なお、細すぎる挽き目は機器を詰まらせ、お湯の流れに影響を及ぼす可能性があり、場合によっては苦くて灰っぽい味になったり酸っぱくて弱々しい味になってしまうことがあります。もしオンラインストアであらかじめ挽かれたエスプレッソ用のコーヒーを購入するのであれば、お使いのマシンの種類とそれが業務用か家庭用かどうかを確認し、機器に合わせた挽き目をリクエストすることが大切です。
あらかじめ挽かれたコーヒーを抽出する際は、最高の風味をお楽しみいただくためにも少量ずつ、より頻繁にコーヒーを購入することをおすすめします。挽いたコーヒーの理想的な保管期間は密閉容器に入れた場合7～10日です。その後は徐々に風味が弱くなるため、抽出後の味わいを良いものにするためには量や抽出比率を調整する必要があります。
How to grind coffee for Filter and Pour Over
HARIO V60やKalitaのウェーブドリッパーを使用してハンドドリップでコーヒーを抽出する場合は、砂より細かく、エスプレッソよりはやや粗めの挽き方（食卓塩のイメージ）にすることがポイントです。もし淹れたコーヒーの味が薄かったり弱々しく感じる場合は挽き目を細かくし、苦かったり青臭かったりする場合は粗くしてみてください。
How to grind coffee for AeroPress
エアロプレスのユニークな点は、好みに応じて上白糖や食塩のようなかなり細かい挽き目から、パン粉のような粗い挽き目にすることができるところです。エアロプレスはあらゆるシーンで応用が利くため細かく挽いたコーヒーを攪拌して30～40秒後に抽出したり、粗く挽いたコーヒーを3分ほど蒸らして抽出したりすることができます。エアロプレスを使用したコーヒーの味わいは、まさに淹れる人の好みによって変わると言えるでしょう。
How to grind coffee for Chemex
ケメックスの場合、ベストな挽き目は食卓塩よりも少し粗いサイズです。これはケメックスのフィルターペーパーが一般的なHARIO V60やKalitaのドリッパーよりも厚く、コーヒーベッドが深いことによってゆっくり抽出される傾向があるためです。ケメックス用に挽いたコーヒーは他のコーヒーと同様に密閉容器に入れることで2週間ほど風味を保つことができますが、その間に甘みや複雑さが失われやすくなる可能性があります。
How to grind coffee for Moccamaster
モカマスターを使用する場合は、コーヒー豆を岩塩やパン粉のように粗めに挽くようにしましょう。一般的にモカマスターは抽出に約5分かかり、抽出中は常に水が流れ続けているため、水とコーヒーの粉が接触する時間が長くなります。もしバスケットからコーヒーが溢れてしまう場合は、挽き目が細すぎる可能性があるので調整していきましょう。
How to grind coffee for Plunger (French Press)
プランジャー（フレンチプレス）の挽き目は、オールプレスのグラインドチャートの一番下に位置づけられています。粗さは岩塩とパン粉の中間くらいのイメージです。プランジャーコーヒーは抽出時間がかなり長いので、過抽出を避けるためにも挽き目は比較的粗めにする必要があります。よりおいしく抽出するためには、たとえ粗挽きの場合でも挽いてから2週間以内のコーヒーを使用することをおすすめします。
コーヒーを挽くとき、または淹れるとき、オールプレスのグラインドチャートはみなさんの最初の一歩を支えるガイダンスとしてお使いいただけます。グラインダーが違えばその味わいも違ってくるので、ぴったりな挽き具合を見つけるまでは手持ちのグラインダーでいろいろな挽き目を試してみるのが一番です。私たちと一緒にバランスのとれた味わいと最高の風味を楽しみましょう。
