スペシャリティコーヒー業界に登場したばかりのパプアニューギニア。世界に認知されるために乗り越えなくてはならないさまざまな障壁があるものの、この国が生み出す最高のコーヒーを味わった人々は、パプアニューギニアのコーヒーが持つ可能性がいかに大きいかを知っているはずです。
パプアニューギニアのコーヒーの歴史
パプアニューギニアに初めてコーヒーが持ち込まれた時期は、他のコーヒーの生産地とは違ってあまりはっきりとしていません。17世紀後半、ドイツの植民地からやってきた人々が島の北部にコーヒーを運んだり、イギリスが南部で作物を栽培していたことが影響し、いくつもの混乱があったからです。
ただひとつ確かなことは、この国で最初に栽培されたコーヒーが、貴重なジャマイカ・ブルーマウンテンのアラビカ種であったということ。当時非常に人気があったインドネシア西部のロブスタ種とは対照的なコーヒーでした。 1920年代には生豆の輸出が本格化し始めましたが、これはパプアニューギニアの豊かな土壌が、他の生産地では味わえない風味を生み出していたからです。

1960年代から70年代にかけてインフラの整備が進んだことで、パプアニューギニアのコーヒー産業は大きく発展します。植民地時代にあった大規模な農園は、優れた収穫技術や精製工場、輸出ルートを活用し、高品質なコーヒーを続々と生産するようになりました。そうしてパプアニューギニアのコーヒー産業は拡大を続け、250万人以上(国民のほぼ半数)が従事するまでに成長していきました。
しかし、1975年の独立後、大規模農園が地域の部族やコミュニティに分配されたことでインフラの整備が行き届かなくなり、輸出されるコーヒーの品質は低下していきました。コーヒー産業をリードする人材も少なく、パプアニューギニアのコーヒー産業は一時的に衰退してしまいます。
パプアニューギニアのコーヒー生産
現在、パプアニューギニアのコーヒーの多くは、2ヘクタール未満の小規模農園で生産されています。これらの農園は家庭菜園に近い形態で国全体に広く分散していますが、道路などのインフラが大幅に不足しているために物流上の障壁も多く、特にコーヒーが栽培される高地からの輸出は大きな課題となっていました。
パプアニューギニアで栽培されているコーヒーの約95%はアラビカ種です。700mから2,200mもの標高がある地域で生産され、そのほとんどが密林の中で育ち、自然に守られながらゆっくりと成長していきます。密林によって作られる日陰のおかげでコーヒーチェリーがじっくりと熟し、豊かな風味が生まれます。主要な生産地域は西部高地州、東部高地州、モロベ州、シンブ州、東セピック州の5つです。


パプアニューギニアの豊かな土壌に植えられたものは何でも元気に育つと言われています。コーヒーも例外ではなく、火山性の土壌によって甘くなめらかな味わいに複雑な香りや、ミルクチョコレートのようなボディが生み出されます。
この先、インフラがさらに整備されることで、今より多くの小規模農家がコーヒーを輸出できるようになり、このユニークな産地が持つ可能性を世界に示すことができるはずです。
コーヒーの精製方法
高温多湿な熱帯気候のおかげで、パプアニューギニアのコーヒーには精製に必要な水資源が豊富に確保されています。高地で生産されたコーヒーのほとんどは、チェリーの状態で地域のステーションに届けられたのちに東部や南部の精製施設へ運ばれ、輸出用に乾燥されます。
生豆からコーヒーチェリーの果肉や粘着性のあるミューシレージを取り除くウォッシュドプロセスでは、土壌の条件が生豆の風味にもっとも影響を与えます。幸いなことに、パプアニューギニアの火山性土壌は、世界でも最も豊かな土壌のひとつであり、近隣の国々では味わえない、なめらかで甘みのあるシトラスやチョコレートのような風味をもたらしてくれます。

ミューシレージが洗い流されたあとのコーヒーは、空気の流れが良い高床式のベッドの上に移動されます。天候によって異なるものの、最大で3週間ほど太陽の下に置き、均等に乾燥させるためにかき混ぜられながら慎重に監視されます。ゆっくりと乾燥させることで生まれる特徴的な風味や香りは、パプアニューギニアのコーヒーならではのものです。
そして、プロセスの最終段階にあるのはグレード分けです。豆をサイズや色で仕分けていき、最も優れたロットはスペシャルティコーヒーとしてプレミアム価格で販売されます。


パプアニューギニアのパートナー
私たちは長い間パプアニューギニアのコーヒーを調達してきましたが、その中でも特に注目すべきなのは、Kongo Coffeeとのパートナーシップです。
Kongoは30年の実績を誇るグループで、コーヒーのバイヤーとして創業したのち、シンブ地域の端から端までをカバーする精製工場へと進化しました。この工場には管理、製造、輸送の部門があり、130人の従業員が働いています。
彼らは主にシンブ地域の小規模農家からコーヒーを購入しており、地域内の農家の60%がKongoにコーヒーを販売しています。さらにKongoはレッドブルボン、ティピカ、カトゥーラの品種を組み合わせて「クリーンカッププロファイル」を開発しました。
オールプレスでの取り扱い
オールプレスのメインブレンドのひとつであるエスプレッソ ローストには、このパプアニューギニアのコーヒーが使用され、リッチなダークココアやチョコレートのような風味を生み出しています。
パプアニューギニアのコーヒーはシングルオリジンとしてもリリースすることがあるので、私たちがこのコーヒーを取り扱っている際にはぜひ飲んでみてください。




